どこで、誰が話している?
ラトビア語は、バルト海の東の岸、エストニアとリトアニアにはさまれたラトビアの公用語である。母語にする人は国内に約150万人いて、国の外にも約10万人が暮らしている。
ラトビアがEUに加わってからは、EUの公用語のひとつにもなった。国の中では1999年に定められた「国家言語法」が、ラトビア語を国のことばとして位置づけている。
どんな音がする?
アクセントは、ほぼ決まって単語の最初の音節に来る。母音は6つで、それぞれに短い音と長い音があり、長さで意味が変わる。日本語の「おばさん」と「おばあさん」のような区別を、ふだんの会話でたくさん使う言語なのだ。
長い母音や二重母音には、さらに音の調子(イントネーション)がつく。多くの方言では「のばす」調子と「途中で切れる」調子の2種類があり、ヴィゼメ地方の一部では3種類を言い分ける。r は舌を震わせる巻き舌で発音する。
どんな文字で書く?
文字はラテン文字で、標準の綴りは33文字。ふつうのラテン文字22字に、11字の記号つきの文字を足している。長い母音には上に横棒をのせて ā・ē・ī・ū と書き、č・š・ž、それに下にコンマをつけた ģ・ķ・ļ・ņ がある。q・w・x・y は使わない。
いまの綴りの基本は、1908年に言語学者のミーレンバフスとエンゼリーンスがまとめたものだ。その後も少しずつ整理され、1957年には ch が外された。
文法のクセ
名詞は7つの格で形を変え、性は男性と女性の2つ。英語の the や a にあたる冠詞はない。代わりに形容詞の語尾で言い分け、vecu māju なら「ある古い家を」、veco māju なら「その古い家を」になる。
おもしろいのは、「〜しなければならない」専用の動詞の形があることだ。動詞の頭に jā- をつけ、する人は「〜に」の形で言う。man ir jāmācās は、直訳すると「わたしに、学ぶことがある」、つまり「わたしは勉強しなければならない」になる。人から聞いた話を伝えるための、-ot で終わる動詞の形もある。
この言語でしか言えない言葉
歴史をひとことで
ラトビア語はインド・ヨーロッパ語族のバルト語派に属する。同じ仲間だった古プロイセン語などはすでに話されなくなり、いま国の公用語として使われているバルト語派の言語は、ラトビア語とリトアニア語の2つだけだ。
書かれたものでいちばん古いのは1530年の賛美歌の翻訳で、現存する最古の本は1585年のカトリックの教理問答である。1685年には新約聖書、1691年には旧約聖書の翻訳がそろった。長い歴史のなかで、ドイツ語やスウェーデン語、北どなりのリヴォニア語などから多くの語が入ってきた。
いま、この言語は
国の公用語として、学校・役所・メディアで使われ、言語として安定している。国の東部ラトガレ地方には、独自の書きことばを持つラトガレ語がある。ラトビア語とは話が通じるが、方言とみるか別の言語とみるかは意見が分かれている。
ことばカード
もし学ぶなら
おすすめの入り口
綴りはほぼ読んだとおりで、アクセントも最初の音節と決まっている。長音記号のついた ā・ē・ī・ū を「のばす」と覚えれば、すぐに声に出して読める。まずは Sveiki(こんにちは)と Paldies(ありがとう)から。
手ごわいのは7つの格と、形容詞の2通りの語尾だ。歌から入るのもいい。ダイナは4行ほどと短いので、ひとつ覚えるだけでリズムと単語がいっしょに身につく。
話し手の数は推計で、資料によって幅があります。音声は端末の合成音声で、話者による録音ではありません。